「スクワットでは膝を出さないように屈みましょう。」と言われた経験がある人は、少なくないと思います。
あるいは、メディアでも”膝を前に出さずに”といった文句が記載されている場合が多く、目にしたこともあるでしょう。
しかし、これは、間違いの場合もあります。
スクワットでは、全く膝を出してはいけないという訳ではありません。
むしろ、膝を出さないことで不自然となる場合もありますし、フォームが崩れて本来の力が発揮できない場合もあるでしょう。
今回は、そんなスクワットでは膝を出さないという指導について語りたいと思います。
安全なスクワットに向けて
トレーニングにおいて、最も大切なことは安全に、そして継続できるフォームを習得して実践し続けることです。
そんな安全なフォームというのは、人間のカラダにとって最も自然なフォームと言っても過言ではないでしょう。
では、どのようなフォームが自然なフォームといえるのでしょうか?
安全なスクワットフォームについて、考えてみましょう。
スクワットフォームについて
以上は、バーベルをハイバーで担いだ場合のスクワット動画です。
スクワットは、上記動画にもあるような重量物を担いだり、手で握るなどしながら屈伸動作を行う種目です。
動画で見る限りは、膝がつま先よりも前に出ているのか否かは、分かりづらいかもしれません。
しかし、不自然な動作には見えないと思います。
では、実際に膝を前に出さないようにスクワットをしてみると、どのようなフォームになるのでしょうか?
膝を出さないように注意したスクワットフォーム
これは、殆ど同じアングルから撮影したものです。
スムーズにスクワットが行えているようにも見えます。
しかし、このフォームでは、スクワットを行う上で大きなリスクを背負うことになるでしょう。
上半身を前方に倒す必要がある
膝を前に出さないようにスクワットを行う場合、腰を後方に引く必要があります。
普段のスクワットに比べて、腰を後方に引くので上半身を前方に倒して、バランスを保たなければいけません。
こうした姿勢は腰への負担を増やす為に、膝を庇おうとした動きが他の部位を痛めてしまう、本末転倒的な動作となってしまいます。
足裏の中心で踏み込みづらくなる
膝を前に出さないように屈むことで、重心位置がズレることはお伝えしました。
そうすると、足裏で踏み込む位置も変わってきます。
これは、腰を後方に引くことで踵で体重を支えるような姿勢に繋がります。
これでは、上手く地面を踏み込めないために、上手くバーベルを挙上させることができません。
また、一点に大きな力が加わるので、不安定なスクワットフォームを誘発してしまいます。
グッドモーニングスクワットの誘発
前述した不安定なスクワットフォームとして、グッドモーニングスクワットが挙げられます。
これは、グッドモーニングと呼ばれる腰部付近を鍛えるトレーニング種目に似た動作となるので、その名がつきました。
以上の動画のように、バーベルを担いで、お辞儀をするような動作がグッドモーニングの特徴です。
このグッドモーニングの動作が加わるとどのような、動作になるのでしょうか?
以上の動画のような動きがグッドモーニングスクワットと呼ばれる動きです。
グッドモーニングスクワットを意図的に実践したのであれば、全く問題ありません。
しかし、スクワットを行おうとして誘発されたのであれば、それはケガの原因となるでしょう。
どんな動きも意図した動きとなるように、また、それを再現できるようになりましょう。
スクワットフォームを見直そう
これまでスクワットでは膝を出してはいけないと教わっていた方は、ここからは膝を出すようにスクワットを行なってみましょう。
しかし、大きく膝を前方に出すのではなく、自然なフォームになるように注意します。
自然なフォームとなる為には、自身の重心位置を把握することが大切です。
では、どのように重心位置を把握すればよいのでしょうか?
それは、足裏の感覚を頼りにスクワットを行うことです。
足裏への力のかかり方による違い
スクワットを行う場合、親指の付け根、小指の付け根、踵の3点に強い力が働きます。
3点における力のかかり方が変わると、スクワットフォームは崩れてしまいます。
親指の付け根に強く力がかかる場合は、スクワットは内股になり、重心は前方にズレてしまいます。
小指の付け根に強く力がかかる場合は、足裏の内側が浮き、不安定なスクワットとなってしまいます。
踵に強く力がかかる場合は、グッドモーニングスクワットを誘発したり、腰への負担が大きくなる場合があります。
足裏の中心で重心を捉えよう
つまりは、前述した3点の中心となる点で重心を捉えなければいけません。
この中心点で重心を捉えることができれば、スクワット動作は非常にスムーズになります。
それぞれ3つのポイントで地面を踏み込むことができれば、スクワットの重心位置を足裏の中心で捉えることが可能になります。
中心で捉えることは安全なスクワットにも繋がるので、ケガの予防にも大きく役立ちます。
中心で捉えられない場合はどうすべきか
どうしても中心で捉えられない場合、足首関節の可動性、股関節の可動性、足幅、バーベルの担ぐ位置など、さまざまなポイントを点検する必要があるかも知れません。
しかし、足幅を開いたり閉じたりすることで、あるいは、つま先の向きを外に向けただけで上手く足裏の中心で踏ん張る感覚も掴める可能性も十分にあります。
今回の記事では、そういったポイントを言及することは控えますが、もしも足裏全体で踏み込めない感覚があるのであれば、細かく試されるのがオススメです。
まとめ:スクワットに向き合おう
スクワットは、最もオーソドックスな種目であり、老若男女にとって、最も馴染み深いトレーニングのひとつと言えます。
しかし、その分、さまざまな情報が飛び交う中で、自身にとって最適なフォームや感覚を見つけるまでに時間がかかるかも知れません。
今回のような「膝を出さないように。」という指導だけでなく、多くの指導や情報に対しても「本当にそうなの?」と深堀するようにして、トレーニングを楽しんでみてください。
その姿勢はトレーニングを上達させますし、トレーニングをより楽しいものへと導いてくれる筈です。
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