はじめに
あなたは、自分の姿勢について理解を深めたいと思ったことはありますか?
自分の姿勢は、目で見えないからこそ意識することが難しいと思います。また、わざわざ携帯で撮影してまで知りたいと思うこともないでしょう。
だからこそ、今回は、ご自身の姿勢を知る上で参考となるいくつかの”面”についてご紹介します。
これは、あなたの姿勢を知るだけでなく、姿勢にズレが生じていた場合には改善にも繋げられる捉え方です。
早速、見ていきましょう。
前額面
前額面とは、人体を前後に切り分けるように区別できる面を意味します。
前額面は、人間の身体を側面から見て、頭頂部から足底にかけて真っ直ぐに線を引くと作り出すことができます。
前額面を用いた身体の見方としては、身体の正面、背面という風に前後で身体を見る場合に用いられます。
この前額面の走行には特徴があって、いくつかのポイントを通過しながら頭頂部から足底へと走行しています。
そのポイントというのが、後頭隆起・椎骨棘突起・臀裂・両膝関節間中心・両内顆間中心です。
これは、重心線とも呼ばれる線で、前額面上でも通過するポイントとなります。
前額面上での姿勢評価を行う場合は、こうしたポイントからズレていないか、ズレていたとすればどのようにズレているのか、ズレた理由をどのように探るのかなどに利用していただけると良いでしょう。
こうした観察・評価を用いて、改善を行える点において前額面や以降に説明する面は、非常に参考になるでしょう。
矢状面
矢状面は、身体を左右に切り分けられる面を意味します。
これは、矢の形を思い描いていただけると想像に難くないと思います。
さて、前額面にもあったように、矢状面でも通過するポイントが存在します。
耳垂・肩峰・大転子・膝蓋骨後面・外顆前方という、5つのポイントを通過するという特徴があります。
これも、重心線と言われる頭頂部から足底にかけてを垂直に結ぶ線が通過するポイント達です。
矢状面でも、前額面同様、身体を左右から見た時にこれらのポイントがズレていないかなど、同じようにして観察・評価して改善を図っていきたいですね。
水平面
水平面は、床と並行な面として、身体を上下に分ける面を意味します。
水平面は、前額面や矢状面と違い、重心線を通るポイントから観察・評価することはありません。
どちらかと言うと、回旋動作や前後動作、左右動作を行った際に重心位置が水平面上でどのように変化するのか、という風に活用できるでしょう。
回旋動作を自身で見て確かめるというのは、中々大変なことですが、天井に鏡の一枚やカメラでも設置することができれば、より精密な観察・評価ができるかもしれません。
まとめ
様々な構造によって保たれている人体を姿勢という観点から、観察・評価しようとする場合、前額面・矢状面・水平面という概念が役立ちます。
前額面は、身体を前後に分けることができる面であり、矢状面は、身体を左右に分けることができる面です。
前額面・矢状面共に、重心線を通るという共通項が存在し、それぞれのポイントの整合性が自身の姿勢を知る第一歩になるでしょう。
水平面では、回旋動作時や前後左右動作時の重心位置を把握することが可能になるでしょう。
姿勢を知るという観点からは少し離れますが、前額面・矢状面・水平面という面が設けられていることを、これを機会に覚えておきましょう。
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