腹圧を高めてトレーニングをもっと上手くなろう【トレーニング方法解説付】
はじめに
あなたは、”腹圧”という言葉をご存知でしょうか?
腹圧は、読んで字の如く、お腹に圧をかけること、或いはお腹に圧がかかった状態を指します。
トレーニングにおいて怪我を防いだり、動作をスムーズに行うには腹圧を高めることが大切です。
しかし、腹圧を上手くかけられない方は多く、況してや、腹圧をかけることの重要性を知らない方も多いのが現状です。
多くの方が腹圧について学び、実践することができれば、更にトレーニングをアップデートすることができ、より良い成果を手にすることができるでしょう。
今回は、腹圧の基本から練習方法、実践方法についてお伝えしていきます。
“腹圧”とは?基本を理解しよう
最初に、腹圧について理解していきましょう。
“腹圧”とは、先ほど『はじめに』でお伝えした通り、”お腹に圧をかけること、或いはお腹に圧がかかった状態”を指します。
イメージは、お腹の中で大きく膨らんだ風船を外から内に向かって、ギュッと押すような形です。
文字では分かりにくい方もいらっしゃると思うので、少し絵も交えてお伝えしていきます。
以上のような、風船があなたのお腹の中に膨らんでいると想像してください。
お腹の中でパンパンに膨らんだ風船を、外から内に向かってギュッと押します。
ギュッと押したら、お腹もこんな表情になる筈です。
これが、トレーニングスタートのOKのサインです。
以上のような状態を、実際にお腹で作り出すのですが、これにはお腹にあるインナーマッスルを動員することが必要です。
お腹にあるインナーマッスルとは、横隔膜や腹横筋を指します。
横隔膜は、弛緩収縮を繰り返すことで呼吸を促す役割があります。
横隔膜の弛緩収縮は、受動的に行われるので非常に意識し辛い筋肉の動きですが、普段は横隔膜が収縮することで息を吸い、弛緩することで息を吐いています。
腹横筋は、腹筋の中でも最も内側に存在する筋肉です。
腹横筋は、内臓を衝撃から防いだり、姿勢を保持する役割があります。
その他には、身体を捻る動きに関与したり、腹圧を瞬間的に高めることで咳やくしゃみ、排便を効率的に行うようにも作用します。
以上の筋肉を動員させることで、腹圧は高めることができます。
腹圧の重要性:トレーニングでの怪我予防
では、腹圧を高めることがどうして重要なのでしょうか、一緒に考えていきましょう。
トレーニングする際に、それぞれの種目には、それぞれに適したフォームがあります。
例えば、スクワットであれば、足幅を一定の広さに広げたり、バーベルを担ぐ時に肘を上げたりということです。
こうしたフォームには、効率的に、効果的なトレーニングを行う為という目的がありますが、もうひとつに安全にトレーニングを行う為という目的もあります。
効率が良いとか、効果が得やすいというのは、どんな人の目も惹きつけますが、最も大切にすべきは安全が確保されているということです。
安全でないトレーニングは、怪我を引き起こすかもしれませんし、トレーニングが嫌になるかもしれません。
或いは、周りの方に迷惑を掛けることで、通っているジムを強制退会させられるかもしれません。
また、安全なトレーニングを行えているからこそ、効率性を求めることができるし、効果性を求めることができます。
そんな安全なトレーニングを行うには、腹圧を高めることが必要不可欠です。
腹圧の重要性:スムーズな動作の確保
以上のように、安全を確保できるからこそ、効率的、効果的なトレーニングを行えることできます。
効率的、効果的というのは、言い換えるとスムーズにということです。
スムーズなトレーニングは、トレーニングの質を向上させることに繋がります。
フォームを整えるという準備が必要ないので、回数、重量、セット数といったトレーニングボリュームを追求することが可能になります。
トレーニングボリュームに集中できると、ボディメイクの成功やパフォーマンスの向上へと自ずと繋がることでしょう。
ボディメイクに取り組まれている方やスポーツに取り組まれている方にとっても、腹圧を高めることは良い結果をもたらすことに繋がります。
腹圧を高めるためのトレーニング方法
では、腹圧はどのようにして高めれば良いのでしょうか?
ここからは、腹圧を高めるためのトレーニング方法についてお伝えしていきます。
腹圧を高めるには、デッドバグと呼ばれるトレーニングを行うと良いでしょう。
以上が、デッドバグと呼ばれるトレーニングの動画です。
動画にもある通り、仰向けに寝た状態から両膝を曲げて、両手両足を挙げます。
次に、息を吸いながら横隔膜を広げることで腹圧を高めながら、対角線にある上肢下肢を伸ばします。
反対の上肢下肢は、挙げ続けるようにしましょう。
息を吸い切った後、息を吐きながら腰椎を反らないように注意しながら、伸ばした上肢下肢を元の位置に戻します。
完全に戻しきったら、反対の上肢下肢を伸ばし、同様に呼吸も行いましょう。
腹式呼吸によって腹圧を高めることで、上肢下肢の伸びが引き起こす腰椎の前弯を防ぎます。
デッドバグのコツは、浮かせている上肢下肢は、そのまま保持させることが重要です。
浮かせている上肢下肢を、膝を抱えるように内側に降ろすことは、腹圧を高めずとも安全な姿勢を維持できることに繋がります。
これでは、デッドバグ本来の目的を達成することが難しくなってしまうので、しっかりと腹圧を高めて姿勢を維持していきましょう。
実践編:腹圧を意識したトレーニングのポイント
ここからは、腹圧を意識したトレーニングについて解説していきます。
トレーニング時に、腹圧を意識するにはフォームを作る際に腹式呼吸を用いて、腹圧を高めるようにチャレンジしてみましょう。
例えば、スクワットの際に、バーベルを担いでから動作を開始する前に腹式呼吸にて腹圧を高める。
その腹圧を維持しながら屈み、ボトムで折り返す際も腹圧を抜かないように注意していきましょう。
デッドリフトであれば、立ち位置を決めてバーベルを握った後に、グッと腹圧を高めることで、ファーストプル、セカンドプルと全ての局面に置いて、腰椎を真っ直ぐに伸ばせるようにしましょう。
まとめ
腹圧を高めることは、トレーニングの質を向上させる為に非常に有効です。
腹圧を高めるイメージは、お腹の中で風船を膨らませて、それを外から内にかけてグッと押し込むイメージです。
その時に、腹腔内では横隔膜と腹横筋を強く動員しています。
腹圧は、脊椎付近の怪我のリスクを抑えると共に、トレーニングをスムーズに行うことに寄与しています。
そんな腹圧は、デッドバグと呼ばれるトレーニングにて鍛えることができ、スクワットやデッドリフトにも活かせます。
その他にも、さまざまな種目に適用できるので、どんどん試していきましょう。