ベンチプレス中に腕のみが疲れた場合の理由と対処法について解説

ベンチプレスを腕の種目だと勘違いしている方がいます。

腕の屈伸動作でバーベルを操作する為に、トレーニング初心者の方の中には腕が疲れると思われるようです。

フォーム次第では、そのように腕が疲れる種目ではありますが、それは、正しいフォームとは言えません。

なぜ、こうした腕が疲れるということが起こるのでしょうか?

また、このフォームが正しくないのであれば、どのようにすればよいのでしょうか?

なぜ、腕が疲れるのか

ベンチプレス中に腕が疲れる理由は、腕を使ってバーベルを持ち上げているからです。

「何を今更、そんなことは分かってるんだよ。」

と、思うでしょう。

しかし、実際には頭では分かっていても、体感覚的には分かっていない方が多いです。

それを紐解く為にも、先ずは、ベンチプレスフォームを確認しましょう。

ベンチプレスについて

動画①:ベンチプレス

今回は、腕が疲れる理由と対処法についてなので、腕についてのみ取り上げていきます。

ベンチプレスにおいて、腕はバーベルを支える柱として存在します。

バーベルが頭や首に落ちてこないように、或いは、バーベルの軌道を確保する為の柱として、バーベルを空中で支えています。

しかし、柱にも関わらず、腕は肘関節で屈曲しますし、肩関節で回旋するので単純にバーベルに対して垂直に位置する柱という訳ではありません。

腕主体でのベンチプレス

単純な柱ではないからこそ、トレーニング初心者の方にとっては、ベンチプレスの主動筋である大胸筋を動員させるという意識が薄れるという現状が存在します。

また、バーベルを空中から胸まで下ろし、胸から空中に挙げる動作において、肘関節を屈曲伸展させる必要があります。

これによって、バーベルを腕でコントロールするという意識が芽生える為に、腕の筋肉を主動筋と勘違いする場合も多いでしょう。

「腕の筋肉を使うんだ。」と認知してしまうと、どの動作においても腕の筋肉を動員しやすくなる為に、胸ではなく腕に疲労が蓄積される事態に陥ります。

肩甲骨の内転下制不十分

画像①:肩甲骨の内転下制不十分

腕の屈伸動作に対する意識が強化されることで、腕が疲れやすくなるということを述べましたが、それに加えて、肩甲骨の内転下制不十分も考えられます。

肩甲骨の内転下制については、以下を参照してみてください。

【トレーニング】ベンチプレスフォーム習得の為に、肩甲骨の”内転下制”を知ろう

肩甲骨が中心に、加えて下方に移動することで、大胸筋が伸展するという事実があります。

これが十分に行われていると、バーベルを胸元まで下ろした時に、十分に胸の筋肉が引っ張られている感覚を得ることができます。

しかし、この内転下制が不十分な場合、バーベルを胸元に下ろしても胸を使う感覚というのが薄い場合が多く、実際は大胸筋を動員させることが難しくなります。

手首の反り返し

腕の疲れを誘引する大きな理由のひとつに、手首の反り返が挙げられます。

これは、掌で強くバーベルを握った際に起こる場合の多いトラブルです。

手首を反り返す場合の多く、バーベルを落とすことへの不安から起こります。

「動作中にバーベルを顔に落としたらどうしよう。」

「こんなに重いバーベルを落としたら危ないだろう。」

勿論、バーベルを落とした場合には非常に危険ですが、それはセーフティーバーによって安全に対処することができます。

握り方について、以下を参照してみてください。

ベンチプレスにおける安全なバーベルの握り方と各ポイントを紹介

また、手首を反り返さずともバーベルを安定して保持することは可能なので、そういった安全対策を知る、或いは実践することが、解決に役立つかも知れません。

腕が疲れるベンチプレスへの対処法

もしも、ベンチプレス中に腕が疲れると思ったら、どのようにすれば対処すればよいのでしょうか?

ストレッチポールを使用しての肩甲骨付近の可動性向上

先ずは、腕主体のベンチプレスを克服するべく、胸を張れるように取り組んでみましょう。

その際に必要となるアイテムとしては、ストレッチポールが有用です。

ストレッチポールは筋膜リリースのアイテムとして、近年、注目されており、多くのジムやスポーツの場面において導入されています。

そんなストレッチポールでは、脊椎に沿った筋肉などを解すことができます。

また、使い方を工夫することで、腕や脚などの筋肉も解すことができるので、カラダの可動性を一時的に向上させることに役立ちます。

ストレッチによって柔軟性向上

画像②:ストレッチによる柔軟性向上

日常的にストレッチを動員することでも、腕主体のベンチプレスを改善させることができます。

これは、先にお伝えした胸を張るという感覚を芽生えることにも役立ちます。

ベンチプレスの場合は、主に胸、肩、二の腕の筋肉を動員しますが、それらを上手く動員させるには、背中の筋肉を十分に動かせるように準備しておく必要があります。

肩甲骨の内転下制動作の習得

上記のような筋膜リリースやストレッチが十分に行える場合は、肩甲骨動作である内転下制を習得しましょう。

内転下制動作の習得は、前述したように大胸筋を最大限動員させるには、非常に有用な動作です。

肩甲骨を背骨に寄せるには、胸を張るようにしてみましょう。

肩甲骨を下方に下ろすには、肩を落とすようにしてみましょう。

肩甲骨を背骨に寄せてながら下方に下ろすには、胸を張りながら肩を落とすようにしてみましょう。

これだけで内転下制が成立しやすくなるので、興味ある人は、試してみてください。

バーベルを握らない練習を

バーベルを丸め込んで握りすぎると、強くに手首を返してしまう人が数多くいます。

その場合は、軽い重量設定でバーベルを握らずに動作を行なってみましょう。

この練習を行う際には、セーフティーバーで十分な安全を確保することと、親指はしっかりとバーに引っ掛けるようにします。

また、この練習で養って欲しいこととしては、骨でバーベルを受け止めるということです。

骨で受け止める感覚を養うことは、腕の疲れを解消するには大いに役立つので、最後の最後には、しっかりと骨でバーベルを支えられる意識を身につけて欲しいなと思います。

まとめ:ベンチプレスは胸の種目

ベンチプレスにおいて腕の疲れを無くすことで、大胸筋を十分に動員させることが可能になります。

その為には、小さな取り組みの積み重ねが必要です。

しっかりと行なっていけば、大胸筋を十分に動員することができるので、更にベンチプレスのボリュームや精度を高めていくことができるでしょう。

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