はじめに
厚い胸板やTシャツの張り感を演出してくれる大胸筋、そんな大胸筋を鍛えるのにオススメの種目が”ベンチプレス”です。
主に、上半身の筋肉を動かすベンチプレスですが、ベンチに仰向けに寝てトレーニングを行う為、フォームが意識し辛いとか十分に力を入れらないと言った悩みを良く耳にします。
また、ベンチプレスを腕の種目だと思われる方もいらっしゃいます。それ程、フォーム習得が特徴的で難しいイメージを併せ持つベンチプレスですが、一度フォームを覚えてしまえば、大胸筋を十分に鍛えられることは間違いありません。
今回は、そんなベンチプレスにおいて大切な肩甲骨の動きについて、ご紹介したいと思います。早速、いきましょう。
“肩甲骨”について
「ベンチプレスなのに肩甲骨って、どういうこと!?」と思われる方もいらっしゃると思うので、まずは、その肩甲骨について解説していこうと思います。
肩甲骨は、鎖骨、上腕骨と繋がる三角の形をした骨で、下角、上角、外側角といった突起があります。人間の背中を見ると、内側縁が大きく隆起して見える場合があると思います。
そんな肩甲骨には幾つかの筋肉が付着しており、上半身のユニークな動きをサポートする上では欠かせない筋肉ばかりです。どんな筋肉が付着しているかというと、以下の通りです。
- 棘上筋
- 棘下筋
- 肩甲挙筋
- 肩甲下筋
- 小菱形筋
- 大菱形筋
- 大円筋
- 小円筋
- 前鋸筋
- 三角筋後部
- 上腕三頭筋長頭
- 上腕二頭筋長頭
- 上腕二頭筋短頭
- 烏口腕筋
- 前鋸筋
- 小胸筋
と、まぁ、色々な筋肉が付着している訳です。どれがどれだと解説していくとキリが無いので、「肩甲骨って、いろんな筋肉が付いてるのね。」と知ってもらえたらなと思います。
さて、そんな肩甲骨にはいくつかの動きがあります。どんな動きがあるのかと言いますと、肩甲骨の動きは以下の通りです。
- 挙上
- 下制
- 内転
- 外転
- 上方回旋
- 下方回旋
パッと見だと、イメージし辛い動きばかりだと思います。それに、今回はベンチプレスで重要な”内転下制”についての解説記事なので、この”内転”と”下制”について、ここからは見ていこうと思います。
肩甲骨内転に必要な筋肉と動きのイメージ
先ずは、内転について解説していきます。
内転は、肩甲骨を脊椎に近づける動きで、僧帽筋と大菱形筋を動員させることで肩甲骨を動かします。そんな内転動作のイメージがコチラです。
以上の動画を見れば、何となく内転のイメージができるかと思います。前ならえの姿勢から、腕のみを背中側に引くような動きが内転です。
言葉で見ると非常にイメージし辛いですね(汗)、それを解決する為の動画なんですが(汗)、次に下制について解説していきます。
下制に必要な筋肉と動きのイメージ
次に、下制について解説していきます。
下制は、肩甲骨を下げる動きを意味し、動員される筋肉は、僧帽筋・前鋸筋・小胸筋・大胸筋と内転動作よりも数は増えます。そんな下制動作のイメージがコチラ。
下制は肩を落とす動作と似ています。首筋を伸ばすようにして、腕、肩を下に落とすと肩甲骨を下制させることができます。
下制の場合、小胸筋だけでなく大胸筋も動員されるのは、肩甲骨と共に上腕骨も下がるからです。上腕骨を下げないと肩甲骨の下制も十分にできない為、大胸筋も動員されているということです。
内転・下制、それぞれの動きが分かったところで、では、この肩甲骨とベンチプレスがどのように関係しているのかを見ていきましょう。
ベンチプレス-肩甲骨の関係性
ベンチプレスを行う場合、主動筋となるのが大胸筋です。この大胸筋を十分に伸長-収縮させること、あるいは十分に可動させることが重要です。
これは、筋肉に”効かせる”点でもそうですし、安全に重量を”挙げる”点でも必要です。パワーリフターやボディビル選手、初心者や上級者など関係なく、大胸筋をダイナミックに動かすことが大切です。
そうしたダイナミックに大胸筋を動かすために必要なのが、肩甲骨です。そんな、肩甲骨は縁の下の力持ちのような存在です。肩甲骨を内転下制させることで大胸筋を支えられるので、正しいベンチプレスフォームが可能になります。
肩甲骨を内転下制させることで、期待できる効果がいくつかあります。
- 大胸筋を効率的に伸び縮みさせる
- 肩関節の怪我を予防できる
- 肘関節の怪我を予防できる
- 主動筋を効率的に動かせる
- バーベルを安定して構えられる
- 下半身の力をバーベルに伝えられる
上記以外にもあるかと思いますが、今回はこれだけに留めておきます(笑)それぞれを説明するとキリがないので、ベンチプレスと肩甲骨は切っても切り離せない関係だと思っていただけると良いです。
ベンチプレスに活かそう
肩甲骨の内転下制を習得したら、早速、ベンチプレスに活かしていきましょう。
実際に、肩甲骨の内転下制ができた時と、そうでない時のベンチプレスを比べると出来栄えは大きく異なると思います。
ベンチプレスにおける安全なバーベルの握り方と各ポイントを紹介
ベンチプレス挙上中に腕でバーベルを挙げてしまう癖について【トレーニング】
【トレーニング】ベンチプレスにおける安全なバーベルの軌道について
また、更にベンチプレスについての知識を深め、フォームを習得したい方は、以上のリンクを参照してみてください。
ベンチプレスをアップデートしていこう
どんな種目にも、特定の関節の動き、筋肉の動きがあります。少しずつそういった固有の動きを理解して、ご自身のトレーニングをアップデートしていきましょう。
体の構造を理解して、体得することができれば、トレーニング記録も向上しますし、更にトレーニングが楽しくなるでしょう。
まとめ
今回は、肩甲骨の内転下制について、理解を深めることができたでしょうか?
肩甲骨の内転・下制、それぞれの動きを習得するには時間が掛かる場合があります。何が課題かは人それぞれですし、単純でない場合もあるかもしれません。
しかし、諦めずに細かな動きに注意して練習を重ねれば、いつか習得できる筈です。習得した時には、既に挙上重量も上がっている筈なので、着実に取り組んでいきましょう。
これからもフィットネスに取り組んで、健康な人生を歩んでいきましょう!