【少し詳しく知りたい方へ】タンパク質って、何ですか?

サムネイル_【少し詳しく知りたい方へ】タンパク質って、何ですか?
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以前に、栄養摂取という切り口から三大栄養素、微量栄養素について記事を投稿いたしました。

その中で、どれも当たり障りなく触れていた訳ですが、もう少し深掘りして欲しいという奇特な方もいらっしゃるかと思います。

そこで、今回は、タンパク質について、少し詳しくお伝えいたします。

と言いましても、以前の記事が未読の為、タンパク質に関する簡単な紹介というのを知らない方もいらっしゃるでしょう。

ですので、先ずは振り返りから始めさせていただき、そこから深掘っていきたいなと思います。

タンパク質とは(前回の振り返り)

早速、以前に投稿した内容の振り返りから参ります。

タンパク質とは、主に、皮膚や骨、内臓や細胞に至るまでの構成要素として活用されています。

また、脂質や炭水化物といったエネルギー源が不足した場合には、タンパク質もエネルギー源として活用されます。

そんなタンパク質は、アミノ酸と呼ばれる構成要素によって出来上がっております。

で、そのアミノ酸とは以下のように分類されます。

  • 必須アミノ酸

L-イソロイシン/L-スレオニン/L-トリプトファン/L-バリン/L-ヒスチジン/L-フェニルアラニン/L-メチオニン/L-リジン酸塩酸/L-ロイシン

  • 非必須アミノ酸

L-アスパラギン/L-アスパラギン酸/L-アラニン/L-アルギニン/グリシン/L-グルタミン/L-グルタミン酸/L-システイン/L-セリン/L-チロシン/L-プロリン

そして、タンパク質が多く含まれる食材食品には、肉(全般)/魚(全般)/乳製品(全般)/大豆製品(全般)/卵が当てはまります。

と、ここまでが前回の振り返りです。

非常に簡単にまとめましたが、要約すれば記載内容は以上となります。

で、今回は、これらの内容の深掘りと、更なる新情報を追加できればと思います。

アミノ酸

アミノ酸が、タンパク質の構成要素であることを以前にお伝えいたしました。

アミノ酸が無ければ、タンパク質も無いという訳です。

さて、そのアミノ酸、前述したように必須アミノ酸と非必須アミノ酸に分類されています。

完全タンパク質と不完全タンパク質

そんなアミノ酸ですが、前述しております必須アミノ酸9種類を全て含む食材を完全タンパク質、反対に、必須アミノ酸9種類未満が含まれる食材を不完全タンパク質と呼びます。

この完全か、不完全かに非必須アミノ酸が該当しないのは、やはり、体外から摂取しなければいけないという特性が必須アミノ酸が持っているからだと思われます。

そして、完全タンパク質、不完全タンパク質共に、該当する食材がございます。

  • 完全タンパク質

肉(全般)/魚(全般)/乳製品(全般)/大豆製品(全般)/卵

  • 不完全タンパク質

種実類(アーモンド、ピーナッツなど)/種子類(カボチャの種、チアシードなど)/豆類(ひよこ豆、インゲン豆など)/穀類(白米、パンなど)/野菜(全般)

以前にお伝えした内容に含まれるタンパク質源となる食材は、全て、完全タンパク質に該当いたします。

それも驚きでございますが、その他の種実類、種子類、更には野菜にもタンパク質が含まれているのも驚きかと思います。

どうして、お前たちにもタンパク質が含まれているんだい。

ここで面白いのが、この不完全タンパク質食材、様々な組み合わせがございます。

こうした栄養学を知ってか知らずか、人類は科学が発展する以前から”味覚”としてタンパク質の補給方法を確立しておりました。

  • ピーナッツバター+食パン
  • フムス+パン or クラッカー
  • インゲン豆+パスタ(名称:パスタ・エ・ファジョーリ)
  • 枝豆+餅(名称:ずんだ餅)
  • ひよこ豆+カレー+白米(名称:ダルカレー)

以上は、参考例でございますが、日本では豆と米の組み合わせというのは、お赤飯程度かなと思います。

また、食パンとピーナッツバターの組み合わせなんていうのは、思いっきり欧米文化でございます。

ともすると、地域固有の組み合わせがあるのかなと思ったり、思わなかったり。

ペプチド

さて、アミノ酸というのは、タンパク質の構成要素だという点をお伝えしておりますが。

実は、アミノ酸というのは、その繋がりの長さによって名称が変わります。

なぜ、名称を変える必要があるのか、それはアミノ酸同士の結合方法に起因するようです。

その結合方法というのは、”ペプチド結合”と呼びます。

さて、ここからほんの少しペプチド結合についてお話をいたします。

しかし、執筆者自身が学生時代、化学の試験において赤点を連発しておりました。

その為、出来る限り、平易に簡潔にお伝えできればと思います。

これはですね、一方のアミノ酸の中にございますカルボキシル基(化学式:ーCOOH)と、他方のアミノ酸の中にございますアミノ基(化学式:ーNH2)。

これらが脱水縮合することで合成されるのが、アミド基(化学式:ーCONHー)というものでございます。

このアミド基の合成方法が、”ペプチド結合”となります。

そして、アミド基を1つ以上有した形、所謂、アミノ酸同士が合体した形、これを”ペプチド”といいます。

この説明でよろしいでしょうか?

「え、どゆこと?」「カルボキシル基?アミノ基?アミド基?」「化学式って、何だっけ?」「脱水縮合って何?そもそも縮合って何?」

はい。

そう思った方の気持ち、全部分かります。

とりあえず、前述の説明を間に受けて下さい。

こういうものだと。

もしも、もしもですよ。もしも、何だ何だと思うのであれば、高校の化学の教科書を見返してみて下さい。

これね、実は重要でして、栄養学っていうのは広義的に医学に分類されるんですが、医学は化学を基礎とする訳です。

つまりは、化学を知ることは、栄養学、引いては医学全体を知ることに繋がります。

あれ、高校教師かな?

さて、話を戻しましょう。

以上のペプチド結合を持つ化合物をペプチドと言います。

そして、このペプチド結合の数によって、ジペプチド、トリペプチド、ポリペプチドというように名称が変わります。

これは、ギリシャ語に由来する接頭辞でございます。

「ジ」は2つの、「トリ」は3つの、「ポリ」は多数のという意味でございます。

で、この「ジ」とか「トリ」とか、どういう風に判断しているかと申しますと、ペプチド結合によってどれだけのアミノ酸が結合されているかということです。

つまりは、1つのペプチド結合によって2つのアミノ酸が結合されている、とすれば、これは”ジ”ペプチド。

2つのペプチド結合によって3つのアミノ酸が結合されている、とすれば、これは”トリ”ペプチド。

という風になる訳でございます。

このペプチドが、アミノ酸の次なる進化形といいますか、合体系でございます。

ペプチドからタンパク質へ

そうするとですよ、タンパク質ってのはアミノ酸で構成されてるんだろ?

でもって、アミノ酸の組み合わせがペプチドなんだろ?

つまるところ、タンパク質ってのは、アミノ酸であり、ペプチドである訳だ。

じゃあ、タンパク質ってのは、どうやってペプチドから格上げされるんだい?

となると思います。

そうなって欲しいと、私は、望んでおります。

さて、タンパク質の定義というのは51個以上のアミノ酸が組み合わさったペプチドが、タンパク質でございます。

そう、ペプチドとタンパク質という名称の差は、結合数の差であり、アミノ酸の分子数となります。

つまりは、50個のアミノ酸が組み合わさったペプチドは、ポリペプチドになる訳でございます。

例外もあるようですが、ひとまずは、これを覚えていただければアミノ酸、ペプチド、タンパク質という化学物質の違いが簡単に分かるかと思います。

これ、有機化学ですね、授業風になって参りました。

タンパク質の1日における摂取目安量

ここからは、少し授業から抜け出して、もう少し実践的な内容に移行していきます。

タンパク質を1日でどれだけ摂取したら良いのか、ということです。

これは、非常に実践的な内容ですね。間違いない。

このタンパク質の1日における摂取目安量というのは、厚生労働省がいくらか定めております。

これが、18〜49歳の方は1日の摂取量の13〜20%、50〜64歳の方は1日の摂取量の14〜20%、65歳以上の方は1日の摂取量の15〜20%と言われております。

また、男女で分けますと、男性の場合、18〜64歳の方は65g、65歳以上の方は60g。

女性の場合は、18歳以上の方は50gとなります。

意外と少ないでしょうか?それとも、多く感じたでしょうか?

弊ジムにお越しいただく方には、25%程度までの摂取をオススメしておりますが、これはそれだけ摂取するのが難しいという観点から少し多めにお伝えしております。

少なくとも、60,5g、或いは、50gを、先ずは摂取してみようとチャレンジしてみてください。

タンパク質が不足したら

では、摂取目安量不足が続いたり、それ以上に摂取が難しい状況が続きましたら、どうなるのでしょうか。

前述したように、人間の身体はタンパク質で構成されていると言っても過言ではありません。

となりますと、皮膚や爪、髪に至るまで、これらの新鮮さと言いますか、若さと言いますか、ハリですね。

ハリが無くなってまいります。

「あれ、この人、年齢の割には肌艶も無いし、髪の毛も見窄らしいわね。」なんて人は、なんかあったのかも知れませんが。

そのなんかというのが、タンパク質不足の可能性がなきにしもあらず、といった具合でございます。

また、それ以外にも細胞やホルモンの生成にも働くのがタンパク質ですので、免疫機能の低下というのも深刻になるかも知れません。

併せて、パーソナルトレーニング的観点を強調するとすれば、筋肉量の減少でしょう。

こちらも、タンパク質不足の折には現実的な問題になってくる可能性がございます。

アミノ酸スコアと桶理論

タンパク質不足というのは、意外にも恐ろしいですね。

ジワジワと危機迫ってくるのがタンパク質不足ではございますが、それを防ぐ方法もございます。

それは、”タンパク質を摂取する”、これに限る訳でございます。

ええ、そんなの知ってるよと、言いたい気持ちも分かります。

そんなあなたには、「アミノ酸スコア」と「桶理論」というのを、少しお教えいたします。

先ず初めに、アミノ酸スコアについてです。

アミノ酸スコアというのは、その食材にアミノ酸がどれだけ多くの量、多くの種類含まれているのかを数値評価したものでございます。

前述いたしました、完全タンパク質と呼ばれる食材は、やはりアミノ酸スコアが高い訳です。

反対に、不完全タンパク質というのは、アミノ酸スコアが低いという運びになります。

そこで、気になるのはアミノ酸スコアの良し悪しというのが、何で決まるのかということです。

ここで、桶理論の登場でございます。

この桶理論と言いますのは、桶のように、どれだけバランス良く含まれているのかということでございます。

綺麗な桶のように、多くのアミノ酸が多く含まれているのであれば、何も漏れなく摂取できるということでして。

何か不足があれば、それを補うに更なる食材が必要になるので、食材単体でのアミノ酸摂取効率が低いと、そういう風になる訳です。

ですので、桶理論に基づいてアミノ酸スコアというのは評価されるということです。

アミノ酸スコアの高い食材って何ですか?っと気になる方は、前述した完全タンパク質を復唱していただければ全く問題ございません。

まとめ

いかがでしたか?

少しばかりタンパク質についてお伝えさせていただきました。

構成要素である、アミノ酸に次いでのペプチドについて。

また、タンパク質の摂取目安量や、不足した際の身体の反応、併せて、アミノ酸スコアについてお伝えさせていただきました。

とにかく、自身の私生活に取り入れるとすれば、完全タンパク質食材を召し上がることと、不完全タンパク質食材同士で組み合わせ流ことを肝に銘じておきましょう。

タンパク質は意識しなければ不足しやすい食材ですから、これを機に積極的に召し上がってみてはいかがでしょうか。

参考文献

森永製菓株式会社:https://www.morinaga.co.jp/protein/columns/detail/?id=20&category=health

東邦大学:https://www.toho-u.ac.jp/index.html

化学のグルメ:https://kimika.net

魚肉たんぱく研究所:https://www.kamaboko.com/fishprotein/

公益財団法人長寿科学振興財団ー健康長寿ネットー:https://www.tyojyu.or.jp/net/index.html

厚生労働省ー日本人の食事摂取基準(2025年版)」策定検討会報告書ー:https://www.mhlw.go.jp/stf/newpage_44138.html

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