【少し詳しく知りたい方へ】食物繊維って、何ですか?

みなさんは、食物繊維をご存知でしょうか?
テレビやネットでは、食物繊維というのはダイエットと結び付けられて語られることが多いでしょうか。
ただ、ダイエットに結びつけるだけというのも、いささか、偏った見方にも思えます。
そこで今回は、そんな食物繊維について、少し詳しく知りたい方向けに書き綴っていこうと思います。
食物繊維とは
はじめに、食物繊維とはについてお伝えいたします。
食物繊維とは、炭水化物に分類される栄養素でございます。
以前に記したように、炭水化物には糖質も分類される訳でございますが、これと食物繊維は炭水化物として一括りにされているのです。
ただ、炭水化物に分類されると言いましても、実体は消化酵素では分解されない食物に含まれる成分でございます。
多くの栄養素は胃で分解され小腸にて吸収されますが、食物繊維は各部位で消化も吸収もされずに、大腸にまで行き渡るのです。
その大腸の中で、水に溶けやすい食物繊維、水に溶けにくい食物繊維、それぞれが固有の反応を行い排泄に至ります。
この一連の作用が、ダイエットにおける整腸作用として謳われております。
まさに、これこそが食物繊維を摂取しなければいけないという必要性そのものなのですが、中々、実感というのは湧きにくいものでございます。
実感が湧かずとも、摂取しなければいけないというのは少々骨が折れますが、致し方ありませんね。
水溶性食物繊維と不溶性食物繊維
さて、先ほど、チラッとお伝えしたのですが、食物繊維には水に溶けやすいものと、水に溶けにくものがございます。
水に溶けやすい性質の食物繊維を、"水溶性食物繊維"と呼び。
水に溶けにくい性質の食物繊維を、"不溶性食物繊維"と呼びます。
それぞれには溶けやすい、溶けにくいという性質以外の性質も存在します。
水溶性食物繊維
水溶性食物繊維は、読んで字の如く、水に溶けやすいという性質があることはお伝えいたしました。
実際に、水に溶けた場合というのは、塩や砂糖が水に溶けるような感じではなくて、ゼリーのようにゲル状になるようなイメージでございます。
こうしてゲル状になることで、腸内をスムーズに通れるようになるという、そんな特徴がございます。
これによって、便通を促す訳でございます。
また、ゲル状化した食物繊維というのは、内臓内での運搬速度が低下する為、胃に滞留しやすくなります。
その為、満腹感を感じやすくなり、無駄な摂取を抑えることができるのです。
加えて、水溶性食物繊維は、ゲル状化する際に周囲の栄養も一緒くたに巻き込みます。
その際に、水溶性食物繊維が糖質を巻き込むような形でゲル状化すると、糖質の分解と吸収を遅らせます。
それによって、小腸を通じての栄養吸収が緩やかとなります。
その為、血糖値の急激な上昇が抑えられるという特徴もございます。
なんだか、何から何まで、利点しかないように思えてきました。
実際に、そうなんですから。
食物繊維というのは、摂取するに越したことはないですね。
不溶性食物繊維
では、不溶性食物繊維にはどのような特徴があるのでしょうか。
こちらも読んで字の如く、水に溶けにくい性質がございます。
この食物繊維、もしも、水に溶けなければどうなるのでしょうか。
不溶性食物繊維はゲル状にならずに、食物繊維そのものが膨らみます。
その為、不溶性食物繊維は便を量増ししてくれるのです。
これによって、腸内の蠕動運動、便意を促し、排便を活性化してくれる訳でございます。
便通を促すというのは、便そのものを流しやすくするのも重要ですが、便量を増やすことも欠かせません。
それには、不溶性食物繊維が欠かせないということでございます。
さて、この不溶性食物繊維、ゲル状にならずに食物内に存在している為、不溶性食物繊維を多く含む食材は歯応えのある食材ばかりでございます。
その為、飲み込むまでに時間がかかるような食材は、不溶性食物繊維を豊富に含む場合が多いでしょう。
食物繊維を多く含む食材
これまでにお伝えした食物繊維ですが、これらを多く含む食材というのが存在します。
海藻類(昆布、わかめ、のりなど)/芋類(じゃがいも、さつまいもなど)/果物(りんご、バナナなど)/豆類(大豆、空豆など)/穀類(玄米、蕎麦、オートミールなど)/野菜類(牛蒡、ブロッコリー、モロヘイヤなど)
以上が、食物繊維を多く含む食材でございます。
基本的には、食材そのものというよりも、以上に書かれた分類であれば食物繊維を豊富に摂取できるでしょう。
用法用量
では、そんな食材をどれだけ召し上がれば良いかと言いますと、これが男女によって異なります。
成人男性の場合、21g以上。
成人女性の場合、18g以上。
なんなら、生活習慣病の予防には27g以上が推奨されているとか、されていないとか。
これ、18〜21gを摂取するのも、初めは大変でございます。
もしも、日常的に野菜を召し上がっていない方でしたら、18gを召し上がるにも骨が折れます。
しかし、現代では冷凍野菜、更には難消化性デキストリンと呼ばれるトウモロコシから作られる水溶性食物繊維粉末もございます。
これらを上手く利用したり、お菓子やジュースを飲んでいるなら、これを果物にしたり、手間にはなりますがミキサーにかけてジュースにしても良いでしょう。
参考文献
「日本人の食事摂取基準(2025年版)」策定検討会報告書:https://www.mhlw.go.jp/stf/newpage_44138.html

