トレーニングには、いくつかの原理原則が存在します。
今回は、そんな原理原則の中でも『過負荷の原理』について、解説します。
『過負荷の原理』は、あなたの運動を支える原理原則の中でも、土台とも言える原理原則のうちのひとつです。
日頃から意識せずに運動されている方にとっては、新しい発見になるかも知れません。
普段から意識して運動されている方にとっては、改めて『過負荷の原理』を意識できる良い機会となるでしょう。
『過負荷の原理』とは
『過負荷の原理』は、何も難しい原理ではありません。
古代オリンピック:クロトナのミロ
あなたは、『クロトナのミロ』の逸話をご存知でしょうか?
以上が、紀元前に開催されていた古代オリンピックを象徴する逸話として残っています。
さて、この逸話から教訓とすべき点がいくつかありますが、今回は『過負荷の原理』についてです。
クロトナのミロのように、カラダを鍛える為には”一定以上の負荷を与えなければいけない”ということです。
もしも、クロトナのミロがトレーニングのお供に選んだ子牛が成長せずに、ずっと同じ体重や体型のままでいたら、途中でミロのカラダの成長も止まったかも知れません。
しかし、日が経つにつれて、子牛は雄牛へと成長を遂げます。それと同じように、ミロも成長する牛を担いでトレーニングを行うことで、日々、新たな負荷に耐えることで、カラダは鋼のように鍛えられていきました。
変化を求めるなら負荷を与えよう
先程、『クロトナのミロ』の逸話でも触れたように、ミロは増える負荷を基にカラダを鍛え上げていきました。
ミロのように日々カラダを鍛え上げる為には、負荷は一定ではいけません。
以上のように、その時、その時の自分に合わせた負荷を与えてあげることとで、カラダは更に変化しようと反応します。
言い換えれば、カラダにとって変化を求めるのであれば、更に負荷を与えるべきということです。
あなたが望む変化や、理想とする形があるならば、それに向けて負荷を与えてあげなければいけません。その負荷こそが、あなたに変化をもたらしてくれます。
過負荷が筋肉に与える影響
過負荷が筋肉に与える影響については、参考にできる研究があります。
以上の研究では、男性43名、女性40名の被験者にレジスタンストレーニングを12週間実施しました。
12週間後、被験者の上腕二頭筋サイズ、アイソメトリック最大随意収縮、上腕二頭筋最大筋力を比較しています。
筋肥大や最大筋力は女性に比べて男性の方が増加量は多かったようです。
ただし、負荷を増やすことで筋肥大に優位な反応を示したのは女性の方であり、男性の場合は最大筋力の向上に優位な反応を示したそうです。
男女によってある程度の差があるようですが、筋肥大や筋力を向上させるという目的では、過負荷を与えることは有効だと言えます。
過負荷は常に変化する
過負荷は、負荷を与えるということをお伝えしてきました。
そんな負荷は、それぞれのレベルや進捗によって変化することを覚えておきましょう。
これは『漸進性の原則』にも関わりますが、その話はまた別の機会に。
さて、話を元に戻しましょう。
筋力や筋肥大が進むにつれて、扱える負荷が増えることは容易に想像できますね。
子供の頃は持てなかった重量物が、大人になると持てるようになることは大いにあります。
こうした過負荷が変化したことを察知することも、絶えず変化を促していくのは必要不可欠です。
もしも、過負荷の変化に疎ければ、十分な負荷を感じることができないのでカラダの変化も停滞するかも知れません。
方法:過負荷を変化せるには?
過負荷を変化させるには、どのようにすれば良いのでしょうか?
筋トレなどのレジスタンストレーニングにおいては、『重量』『回数』『セット数』といった内容が当てはまります。
ランニングなどのカーディオにおいては、『タイム』『距離』『スピード』などが当てはまります。
以上の項目に変化を与えることで、カラダが受ける負荷は変わります。
話は少しズレますが、レジスタンストレーニングやカーディオ以外ですと、球技や格闘技などは『スキル』『タイミング』『テクニック』などの、より実践的な項目に変化を与えることは過負荷となるでしょう。
こうした項目は、どれに着目すれば良いのか分からなくなる場合があります。
もしも、迷った場合は、ひとつひとつの項目を細かく分けて考えたり、これまでのトレーニング内容を見直してみて、自分が改善したいというポイントを見つけましょう。
疑問:負荷量は停滞するのか?
負荷を与え続けることで、カラダは成長しますが、どこかのタイミングでその成長が止まる可能性もあります。
これは、負荷に慣れた反応のひとつです。
こうした反応が訪れた場合、トレーニングメニューを見直す良い機会かも知れません。
あるいは、これまで取り組んでこなかったトレーニングにチャレンジする良い機会とも言えるでしょう。
ただし、トレーニングなどの身体的変化は、初めたての頃は大きく変化するものです。
しかし、トレーニングの継続年数などが増えるにつれて、そうした成長率は鈍化する傾向にあります。
ですが、これはトレーニングを諦める、あるいは、怠ける理由にはなりません。
むしろ、鈍化する可能性があることを念頭において、常に変化を与える、あるいは少しでも全力を出すといった心構えを持つようにしましょう。
まとめ:『過負荷の原理』を体感しよう
これまで説明してきた『過負荷の原理』を体感することが、カラダの変化を測る上では最も分かりやすいと思います。
ですので、もしも、目標や目的があるのなら、それに向けて邁進すべく、少しずつ負荷量や負荷項目に着目して、変化をつけてみてはいかがでしょうか。
『過負荷の原理』に沿ったトレーニングを行うことで、少しずつカラダは変化します。
自分を信じて、頑張ってください。
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